1688AiBUYを利用した中国仕入れでは、商品を注文した時点で支払った金額だけを見ても、商品の仕入総原価は確定しません。クロスマの公式案内では、ロット数を指定して商品代をクレジットカードで支払い、中国内倉庫に商品が集約された後、配送先を指定して国際送料を支払う流れが示されています。
そのため、商品代を支払った日、国際送料を支払った日、輸入許可となった日、国内倉庫へ到着した日が分かれることがあります。さらに、検品・オプション費用、関税、輸入消費税、国内配送費などが後から加わる場合もあります。
本記事では、支払い画面の金額だけで原価を確定せず、支払日、決済通貨、為替の根拠、費目、証憑、注文番号、SKU、数量、配賦方法を分けて残す手順を整理します。会計・税務上の具体的な処理は会社の会計方針や取引条件によって異なるため、この記事を社内整理の土台とし、最終判断は顧問税理士などへ確認してください。
結論:支払記録と仕入総原価を二つの台帳に分ける
支払いを正確に管理するには、「いつ、誰に、いくら支払ったか」を残す支払台帳と、「最終的に各SKUへいくらの費用を配賦したか」を残す仕入原価台帳を分けます。支払台帳は決済・証憑の照合に使い、仕入原価台帳は販売価格、粗利、在庫評価の確認に使います。
| 管理表 | 主な目的 | 確定する時点 |
|---|---|---|
| 支払台帳 | カード明細、注文、送料、返金を照合する | 各支払い・返金が発生した時点 |
| 輸入書類台帳 | 仕入書、運賃資料、輸入許可書等を紐づける | 通関・輸入許可後 |
| 仕入原価台帳 | SKU別の仕入総原価と単価を確定する | 後発費用と数量が揃った時点 |
三つを一つの表へ詰め込むと、後から国際送料や返金が加わった際に、元の支払いと確定原価のどちらを修正したのか分からなくなります。注文単位の共通IDを作り、それぞれの台帳を紐づける方法が安全です。
1688AiBUYでは商品代と国際送料の支払い時点が分かれる
クロスマ公式案内では、商品注文時にロット数を指定してクレジットカードで支払い、その後、商品が中国内倉庫へ集約された段階で配送先を指定し、国際送料を支払います。画面は日本語・日本円で案内されますが、支払記録には画面表示だけでなく、実際のカード利用明細、決済日、請求確定額も保存します。
| 工程 | 主な記録 | 未確定のもの |
|---|---|---|
| 商品注文 | 注文番号、SKU、数量、商品代、決済日 | 国際送料、関税等、到着数量 |
| 中国内倉庫到着 | 到着状況、検品結果、配送対象 | 最終送料、輸入税、国内費用 |
| 国際配送依頼 | 配送先、重量・容積、国際送料、決済日 | 関税等、国内配送費 |
| 輸入許可・国内到着 | 輸入許可書等、関税・輸入消費税、受入数量 | 返品・不足・追加費用 |
商品代を支払った時点では「発注額」、国際配送を依頼した時点では「輸送を含む見込額」、輸入書類と受入数量が揃った時点で「確定原価」と段階を分けると、数字の更新理由が追いやすくなります。
最初に注文共通IDを決める
管理の起点は、商品名ではなく注文共通IDです。同じ商品を複数回仕入れると、商品名だけではカード明細、配送依頼、輸入許可書、入庫を正しく対応させられません。
- 社内注文ID
- 1688AiBUY側の注文番号
- 発注日と担当者
- 仕入先を識別する管理名
- SKU、仕様版、数量
- 中国内倉庫の到着単位
- 国際配送依頼の単位
- 輸入許可書等の番号・保存先
注文を同梱・分割した場合は、商品注文と国際配送が一対一にならないことがあります。注文IDと配送IDを別に持ち、中間表で紐づけます。
費目は商品代・物流費・税金・その他費用に分ける
カード明細の合計だけを「仕入」として記録すると、どこで費用が増えたか分析できません。最低限、次の費目に分けて保存します。
| 費目 | 例 | 主な証憑・確認画面 |
|---|---|---|
| 商品代 | 商品単価×数量 | 注文詳細、支払確認、カード明細 |
| 検品・オプション | 数量確認、外観、動作、梱包、ラベル | オプション明細、依頼内容、検品結果 |
| 中国国内費用 | 中国内配送等 | 注文・配送明細 |
| 国際物流費 | 国際送料、保険料等 | 配送依頼、運賃明細、カード明細 |
| 輸入時の税・公課 | 関税、輸入消費税等 | 輸入許可書等、納付・立替明細 |
| 国内物流費 | 港・空港後の配送、倉庫入庫 | 配送会社・倉庫の明細 |
| 調整額 | 返金、値引き、数量差異、追加請求 | 返金通知、カード明細、合意記録 |
日本円表示でも決済通貨と請求確定額を確認する
クロスマ公式案内では1688AiBUYは日本円で操作・注文できます。ただし、社内記録では画面表示額だけを転記せず、カード明細で決済通貨、利用日、請求確定額、手数料の有無を確認します。注文時の表示額とカード請求額が一致している場合も、その照合結果を残します。
実際に外貨建てで決済する取引がある場合、国税庁は外貨建取引の円換算について、原則として取引日の電信売買相場の仲値などを用い、合理的な方法を継続して使用する取扱いを示しています。どの相場と日付を使うかは会社の会計方針に関わるため、途中で都合よく変更せず、顧問税理士へ確認して継続適用します。
カードの支払レートと税関の換算レートは目的が違う
カード会社の請求額、会計帳簿で使う換算額、輸入申告の課税価格は、同じ数字になるとは限りません。税関が公示する外国為替相場は、輸入申告日の属する週の前々週の実勢外国為替相場の週間平均値を基礎とします。これは課税価格を円換算するための相場です。
| 数字 | 用途 | 根拠として残すもの |
|---|---|---|
| 画面表示額 | 発注・支払い前の確認 | 注文詳細の保存データ |
| カード請求額 | 実際の資金支出を照合 | カード利用明細、決済確認 |
| 会計換算額 | 帳簿へ計上 | 会計方針、採用相場、計上日 |
| 税関の換算額 | 輸入申告の課税価格 | 輸入許可書等、税関公示相場 |
一つの「為替レート」欄で上書きせず、用途別に列を分けます。差額があること自体を誤差扱いせず、どの目的の数字か説明できる状態にします。
輸入港までの運賃・保険料は課税価格の確認対象になる
税関は、原則として輸入貨物の価格に、輸入港までの運賃や保険料などの加算要素を加えて課税価格を計算すると案内しています。商品代と国際送料が別払いだからといって、輸入申告でも必ず別扱いになるわけではありません。
通関書類に記載された課税価格、関税、輸入消費税を、社内で作った見積表と照合します。不明点がある場合は自己判断で数字を作り直さず、通関事業者や税関の相談窓口へ確認します。
電子の注文書・領収書・カード明細は取得時点で保存する
ECサイトの注文書、領収書、カード明細など、オンラインだけで確認できるデータは、後から表示できなくなる場合があります。国税庁は、ECサイトで購入した商品の請求書・領収書や、インターネットのみで確認できるカード明細などを電子取引データの例として示しています。
支払月の締め後にまとめてダウンロードするのではなく、各支払いが完了した時点で保存します。ファイル名には注文共通ID、書類種別、日付を入れ、改訂や返金時は上書きせず履歴を残します。
- 注文詳細
- 支払完了画面・領収書等
- カード利用明細
- 検品・オプション明細
- 配送依頼と国際送料明細
- 仕入書・運賃明細
- 輸入許可書等
- 関税・輸入消費税・立替金の明細
- 返金・値引き・追加請求の記録
輸入消費税は輸入許可書等と帳簿を対応させる
国税庁は、課税貨物の引取りに係る仕入税額控除について、税関長から交付を受ける輸入許可書等を請求書等に含めています。実際の適用要件は申告者名義、課税方式、会社の取引形態によって異なります。
少なくとも、輸入申告者、輸入許可日、課税標準、関税、輸入消費税、地方消費税、立替先、納付日を注文共通IDへ紐づけます。代行者や配送会社が立て替えた場合も、立替明細だけで完結させず、輸入許可書等との対応を確認します。
国際送料は配賦前の合計額と配賦後のSKU額を残す
一つの国際配送に複数SKUが含まれる場合、国際送料を各SKUへ配賦します。配賦方法は商品の性質によって異なります。原価額比は簡単ですが、軽い高額商品と重い低額商品が混在すると、物流負担を反映しにくくなります。
| 配賦基準 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| 数量比 | 同じ大きさ・重量の商品 | サイズ差が大きいと歪む |
| 重量比 | 重量が送料へ強く影響する | 容積重量を別途確認する |
| 容積比 | かさばる商品が混在する | 梱包後寸法を使う |
| 商品代比 | 共通費として簡易配賦する | 物流負担とは一致しないことがある |
| 複合基準 | 重量・容積・価格を組み合わせる | 計算ルールを文書化する |
配賦前の国際送料合計、採用した基準、配賦後のSKU別金額をすべて残します。後からルールを変える場合は、過去データを無断で上書きせず適用開始日を決めます。
見積原価・支払済原価・確定原価の三段階で持つ
販売開始前に価格を決めるには見積原価が必要ですが、見積値を確定値として残すと粗利分析を誤ります。原価の状態を三段階に分けます。
- 見積原価:発注前に、商品代、想定送料、想定税金、国内費用を見積もる。
- 支払済原価:商品代や国際送料など、実際に支払った金額を反映する。
- 確定原価:輸入書類、受入数量、返金・不足、国内費用まで確認して確定する。
確定前でも販売判断に使えるよう、「金額」と一緒に「状態」「最終更新日」「未確定費目」を表示します。
不足・返品・返金は元支払いを消さず調整行で記録する
数量不足、不良、キャンセル、返金が発生しても、元の支払い記録を削除しません。元取引を残し、返金・値引き・追加請求を別行で記録します。
- 調整の対象となる注文ID・SKU
- 理由と確認日
- 申請額と確定額
- 返金先と着金日
- カード明細との照合状況
- 数量・在庫・原価への反映日
返金が翌月になる場合は、支払月と返金月の双方から同じ調整IDを追えるようにします。
月次照合は注文・カード・輸入書類・入庫の四方向で行う
月次締めでは、カード明細だけを照合するのではなく、注文、決済、輸入、入庫を四方向で確認します。
| 照合 | 確認する不一致 | 対応 |
|---|---|---|
| 注文×カード | 未請求、二重請求、金額差、返金待ち | 決済状態と明細を確認 |
| 注文×国際配送 | 配送漏れ、同梱・分割の紐づけ漏れ | 配送IDを追加 |
| 配送×輸入書類 | 課税価格、送料、輸入者名義の不一致 | 通関資料を確認 |
| 注文×入庫 | 数量差異、不良、SKU誤り | 調整行・在庫差異を記録 |
| 確定原価×販売管理 | 旧見積単価のまま販売利益を集計 | 確定単価の適用日を更新 |
原価台帳に最低限必要な列
自社の会計ソフトや在庫管理システムへ連携する前に、次の項目を一つの注文共通IDで整理します。
- 注文共通ID、注文番号、配送ID
- SKU、商品名、仕様版、発注数量、受入数量
- 商品代、検品等、中国国内費用、国際送料
- 関税、輸入消費税、国内配送・倉庫費
- 返金・値引き・追加請求
- 各支払日、決済通貨、請求確定額
- 会計換算に使った日付・相場・方法
- 税関の課税価格・公示相場・輸入許可日
- 配賦基準、配賦後原価、確定単価
- 証憑の保存先、確認者、最終更新日
担当者を支払い・物流・経理で分断しない
支払担当者だけがカード明細を持ち、物流担当者だけが国際送料を知り、経理担当者だけが輸入書類を保管すると、確定原価が遅れます。工程ごとの主担当は分けても、注文共通IDと保存先は共有します。
少なくとも、商品代支払時、国際送料支払時、輸入許可時、入庫完了時、月次締め時の五つを更新タイミングとして決めます。確認中の項目を空欄にせず、「未確定」「確認担当」「期限」を記録します。
1688AiBUYの支払い管理チェックリスト
- 商品代と国際送料を別の支払いとして記録したか
- 注文共通ID、配送ID、輸入書類を紐づけたか
- 画面表示額とカード請求確定額を照合したか
- 決済通貨と手数料の有無を確認したか
- 会計換算と税関換算を同じ欄へ上書きしていないか
- 検品、国際送料、関税等、国内費用を費目別にしたか
- 輸入許可書等と帳簿を対応させたか
- 配賦基準と計算履歴を残したか
- 不足・返金を調整行で記録したか
- 見積・支払済・確定の状態を分けたか
- 電子の注文・領収書・カード明細を保存したか
- 税務上の処理を顧問税理士等へ確認したか
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仕入総原価の構成と見積方法は「1688AiBUYの仕入れ総原価を計算する方法」、中国内倉庫から国際配送を依頼する確認点は「1688AiBUYの配送依頼と国際送料を確認する方法」で整理しています。
公式資料で確認した内容
- 国税庁「外貨建取引の課税標準」
- 国税庁「仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存」
- 国税庁「仕入税額控除のために保存する帳簿および請求書等の記載事項」
- 税関「外国為替相場(課税価格の換算)」
- 税関「原則的な課税価格の決定方法」
1688AiBUYの支払い工程については、クロスマ公式の「1688AiBUY提携」案内で、商品注文時のクレジットカード決済と、中国内倉庫集約後の国際送料支払いが別工程であることを確認しました。料金や機能、利用条件は変更される場合があるため、申込み前にクロスマ公式情報をご確認ください。
まとめ
1688AiBUYの支払い管理では、商品代を支払った時点で仕入総原価を確定しないことが重要です。商品代、国際送料、検品等、関税・輸入消費税、国内費用、返金・値引きを費目別に記録し、支払台帳、輸入書類台帳、仕入原価台帳を注文共通IDで結びます。
画面表示額、カード請求額、会計換算額、税関の課税価格は目的が違います。用途別の数字と根拠を残し、見積原価、支払済原価、確定原価を分けることで、販売価格と粗利を継続的に見直せます。税務上の具体的な処理は、保存した証憑と台帳を使って顧問税理士等へ確認してください。
