欠品が続くと、何円の売上を逃したのか知りたくなりますよね。ただ、販売できなかった期間の注文はそのまま観測できません。まず欠品の事実を残し、推定する場合は前提と幅を明示しましょう。

この記事では欠品ログ、比較できる販売期間、問い合わせを並べ、補充判断へつなげる台帳を作ります。推定値は実際の失注額や利益の確定値ではありません。
欠品の開始と終わりを記録する
商品IDと店舗、販売可能数がなくなった日時、注文受付を止めたか予約を受けたか、復旧日時を残します。実物の在庫ゼロ、販売可能在庫ゼロ、ページ非公開は異なる状態です。倉庫に商品があっても、検品が終わっていない場合や、ほかの注文分として在庫を確保している場合は販売できないことがあります。このように注文分を確保することを「引当」と呼びます。
WooCommerceの公式資料では在庫管理・通知の設定が案内されていますが、その設定だけで複数モールの欠品期間や売り越しが正確に記録できるとは限りません。利用中のサービスで何を記録できるかを確認してください。WooCommerce公式設定資料
観測した値を先に揃える
| 観測するもの | 記録例 | 混同しないこと |
|---|---|---|
| 販売可能状態 | 開始/復旧日時・対象店舗 | 実物数量だけで判断しない |
| 売れた数量 | 販売可能期間の注文数量 | キャンセル/返品をどう扱うか |
| 価格・販促 | 価格改定・広告・クーポン期間 | 異なる条件の平均を混ぜない |
| 顧客の反応 | 入荷問い合わせの件数 | 問い合わせ=購入確約ではない |
| 補充状況 | 発注/入荷/検品の予定と実績 | 到着=販売再開ではない |
顧客名や問い合わせ原文は公開台帳の例に使いません。ここでは自社の閲覧権限内で記録を整理する方法として扱います。
比較できる販売期間から仮説を置く
直前の売れた日数だけで平均を作ると、特売や曜日の影響を受けます。販売可能で、価格・販促・季節ができるだけ近い期間を選び、比較条件を記録してください。適切な期間がなければ、無理に金額を計算せず「推定不能」と残します。
推定案は「比較期間の一日販売数量×欠品日数」です。しかし欠品中に購入が延期されたり別商品へ移ったりするため、その数量がそのまま失注したとは言えません。
架空例を幅で示す
説明用の架空例として、比較できる日の販売数量を一日2〜4個、欠品期間を3日と置くと、販売機会の数量仮説は6〜12個になります。この幅は統計計算で精度を示した「信頼区間」ではなく、実際の失注数量でもありません。比較条件を変えた仮定の範囲です。
同じ例で販売価格を1個2,000円と置けば、売上機会の仮説は12,000〜24,000円です。利益ではなく、費用・値引き・返品を反映しない価格ベースの参考値として残します。注文単価と商品単価を混ぜず、セット販売なら数える単位を揃えてください。
実際の売上、欠品ログ、推定売上機会は別欄にします。実績売上の低下と推定損失を足して二重計上しないようにしましょう。
補充や販売案内の改善へつなぐ
推定額の大きい順だけで発注を決めません。再発までの期間、仕入れの制約、販売再開までの工程、最低発注量、保管負担を一緒に確認します。
欠品原因が発注遅れなら補充点を、連携差異なら複数店舗の数量をそろえる処理(同期)と、注文分を確保する処理(引当)の記録を、検品待ちなら販売可能になる工程を確認します。輸入商品の補充点を決める方法は数量計算とリードタイムを扱う別記事です。
代替商品や入荷案内を出す場合も、適合条件・納期・在庫を確認してから案内します。仕入れの確約がない時点で販売再開日を断定しないでください。
月次では推定条件も見直す
商品ごとの欠品時間、復旧工程、比較期間、推定不能だった理由を残し、次の担当と確認日を決めます。推定の精度が低くても欠品の事実は改善に使えます。まず一商品から、確かめられた記録と仮説を分けて運用しましょう。
