輸入商品は、発注してすぐに販売できるわけではありません。在庫が何個になったら次の仕入れを始めるべきか、販売ペースだけでなく、買付けから国内で販売可能になるまでの時間で考えてみましょう。
この記事では、仕入れ工程ごとの日数を記録し、安全在庫を加えて補充点を決める手順を紹介します。計算に使う数量と日数は説明用の架空例です。
結論:補充点は販売速度×補充リードタイム+安全在庫で決める
在庫補充点は、次の発注分が販売可能になるまでに売れる見込み数量へ、遅延や販売変動に備える安全在庫を加えて決めます。
補充点 = 1日平均販売数 × 補充リードタイム日数 + 安全在庫
ただし、平均値だけで固定すると、繁忙期、仕入先準備の遅れ、検品対応、国際配送の変動を吸収できません。工程別の日数とばらつきを記録し、商品ごとに補充点を見直します。
発注から販売可能になるまでの工程を分ける
リードタイムを一つの数字で記録すると、遅延した工程や改善点が分かりません。1688AiBUYの公式手順では、商品代の確定・支払い、中国側倉庫への集約、検品・出荷準備、配送依頼、国際送料の見積・支払い、国際発送という流れが案内されています。
| 工程 | 開始 | 完了 | 記録すること |
|---|---|---|---|
| 見積・条件確認 | 候補を選定 | 商品代と条件が確定 | 仕様、数量、未確定項目 |
| 買付け | 商品代を支払い | 仕入先が発送 | 準備期間、欠品、分納 |
| 中国国内物流 | 仕入先が発送 | 中国側倉庫へ到着 | 発送日、到着日、追跡状態 |
| 検品・集約 | 倉庫へ到着 | 配送依頼可能 | 検品、問題商品、待機理由 |
| 国際配送準備 | 配送依頼 | 国際送料を支払い | 見積待ち、便種、梱包 |
| 国際・国内配送 | 海外発送 | 販売拠点へ到着 | 通関、国内配送、入荷日 |
| 販売準備 | 商品を受領 | 販売可能在庫へ反映 | 国内検品、ラベル、納品作業 |
工程ごとの実績日数を記録する
発注のたびに、各工程の開始日と完了日を残します。問題がなかった最短日数だけではなく、通常時、遅延時、繁忙期の実績を分けます。
- 商品・仕様・仕入先を識別する社内ID
- 発注日、商品代支払日、仕入先発送日
- 中国側倉庫到着日、配送依頼可能日
- 配送依頼日、国際送料確定日・支払日
- 海外発送日、国内到着日、販売可能日
- 遅延理由と次回の予防策
個別注文の実績は社内記録として扱い、公開用の記事や共有資料では、商品、取引先、数量、金額、配送先が特定されないようにします。
販売速度は欠品日を除いて確認する
1日平均販売数は、期間中の販売数を日数で割って算出します。ただし、欠品して販売できなかった日を含めると、本来の需要より小さく見えます。
| 確認値 | 計算・確認方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 平均販売数 | 対象期間の販売数 ÷ 販売可能日数 | 欠品日を分ける |
| 直近販売数 | 直近の短い期間で再計算 | 急な増減を確認 |
| 繁忙期販売数 | 同じ季節・販促期間を確認 | 通常月と混ぜない |
| 確定需要 | 予約、法人注文、販促計画 | 通常販売へ上乗せ |
| 販売可能在庫 | 実在庫から引当・不良・保留を除く | 帳簿在庫だけで判断しない |
安全在庫はリードタイムと需要のばらつきに備える
安全在庫は、平均より販売が増えた場合や、入荷が遅れた場合に欠品を防ぐ余裕です。すべての商品へ同じ日数を設定せず、次の条件で調整します。
- 工程別リードタイムの最大値と平均値の差
- 1日販売数の最大値と平均値の差
- 欠品した場合の機会損失と顧客影響
- 最低注文数、保管場所、資金負担
- 代替商品や第二仕入先の有無
- 繁忙期、長期休業、通関・物流の変動
安全在庫を増やしすぎると、保管費用、資金拘束、型落ち、品質劣化の負担が増えます。欠品リスクと過剰在庫リスクを商品別に比べます。
架空値で補充点を計算する
以下は計算方法を説明するための架空例です。実際の販売数や仕入日数ではありません。
| 項目 | 架空値 | 計算 |
|---|---|---|
| 1日平均販売数 | 4個 | 販売可能日の実績から算出 |
| 補充リードタイム | 25日 | 発注から販売可能まで |
| 安全在庫 | 30個 | 遅延・販売変動分 |
| 補充点 | 130個 | 4個 × 25日 + 30個 |
この架空例なら、販売可能在庫が130個に近づいたら再発注の条件確認を始めます。ただし、すでに発注済みの商品がある場合は、到着予定日と販売可能になる見込みを別に確認してください。最低注文数や見積確定に時間がかかるなら、発注操作の日より前に仕様と見積の確認を始めます。
発注済み在庫と販売可能在庫を混ぜない
中国側倉庫に到着した商品や国際配送中の商品は、まだ販売に使えない場合があります。在庫表では状態を分けます。
| 在庫状態 | 補充判断での扱い | 確認点 |
|---|---|---|
| 販売可能在庫 | 現在の販売へ使える | 引当、不良、保留を除く |
| 国内作業中 | 完了日が確定した分だけ考慮 | 検品、ラベル、倉庫納品 |
| 国際配送中 | 到着予定と遅延余地を考慮 | 通関、国内配送 |
| 中国側倉庫 | 配送依頼・送料・出荷待ちを分ける | 問題商品、集約、便種 |
| 仕入先準備中 | 確定在庫として過信しない | 欠品、分納、仕様確認 |
| 未発注計画 | 在庫へ含めない | 承認・資金・見積の状態 |
繁忙期と休業日は別の補充点を使う
大型連休、春節、セール、季節需要、広告出稿の前後は、通常月の平均値が使えないことがあります。通常用と繁忙期用の補充点を分け、切替日を決めます。
発注を早めるだけでなく、仕入先の休業、倉庫の受付、国際配送、国内倉庫の入荷予約まで確認します。確定していない予定は余裕日数へ含め、販売計画も必要に応じて調整します。
遅延した工程を次回のリードタイムへ反映する
遅延が起きたら、全体日数だけでなく工程と理由を記録します。偶発的な遅延か、毎回発生する構造的な待ち時間かで対応を変えます。
- 見積や仕様回答を待った
- 仕入先の欠品・準備に時間がかかった
- 複数商品の倉庫到着を待って集約した
- 検品で問題が見つかり確認を行った
- 配送依頼や国際送料の支払いが遅れた
- 国際・国内配送や通関に時間がかかった
- 国内検品や倉庫納品の準備が不足した
1688AiBUYの配送依頼と国際送料の流れは、配送依頼から国際送料支払いまでの確認手順でも整理しています。
補充点に達する前に再発注条件を読み戻す
補充点は自動的に同じ商品を買う合図ではありません。商品URL、仕様、価格、最低注文数、納期、検品、梱包、法令・表示、国内在庫を読み戻し、条件が変わっていないか確認します。
具体的な差分確認は、1688AiBUYで再発注する前のチェックリストをご覧ください。不良や仕様差があったロットは、検品結果と改善判断の記録方法も合わせて確認します。
在庫補充表に用意したい項目
| 区分 | 項目 | 更新タイミング |
|---|---|---|
| 販売 | 平均販売数、直近販売数、繁忙期係数 | 週次・販促前 |
| 在庫 | 販売可能、引当、不良、保留、発注済み | 日次・入出庫時 |
| 仕入れ | 最低注文数、発注数、仕様確認状態 | 見積・発注時 |
| 工程 | 工程別の開始日、完了日、遅延理由 | 状態変更時 |
| 判断 | 安全在庫、補充点、次回確認日 | 月次・条件変更時 |
担当者が不在でも、現在の在庫、入荷予定、次の判断日、確認中の問題を読み取れる状態にします。
補充点は月次と大きな変化のたびに見直す
補充点は一度決めて終わりではありません。販売速度、仕入条件、リードタイム、最低注文数、保管容量、資金計画が変われば更新します。
中小企業基盤整備機構の在庫管理情報でも、商品ごとの季節性や安全在庫を考慮する考え方が示されています。現場で分かった遅延や販売の変化を表に戻し、担当者が交代しても補充判断を再現できるようにしましょう。
まとめ
輸入商品の在庫補充点は、1日平均販売数と発注から販売可能になるまでのリードタイム、安全在庫から決めます。平均日数だけでなく、見積、買付け、中国国内物流、倉庫、検品、国際配送、国内販売準備を分けて記録し、ばらつきと繁忙期を反映します。
1688AiBUYを利用できるクロスマの機能・料金・申込み条件は、クロスマの公式情報で最新内容をご確認ください。仕入れ、在庫、販売チャネルを含めた導入・運用を整理したい場合は、MO-LIBのクロスマ導入支援をご覧ください。
